🎀子供を教育移住させるのは何歳が一番良いのか。母語問題について考えてみた・後編🎀
前回、我が家庭が崩壊している様子をお伝えしました。
日本語しか話せない私と、オランダ語がメインの子供達。日本語ももちろん話せるけど、日本語のレベルが上がっていないため、もどかしそうな娘を筆頭に、意思疎通が困難になりつつあります。
今後どうしていくかを考えることはもちろんですが、今日は、よく言われる、教育移住は子供が何歳の時が良いのかにトリコなりの見解を述べようと思います。
子供が小さければすぐ馴染むは本当??
我が家は2年前にオランダに移住してきました。一番上の子が6歳、娘が5歳、そして2歳、1歳でした。日本で、就学していたのは6歳の子だけという状態。小学校に入学して半年で渡蘭しました。
本当は、小学校に入る前が良かったのではないかなどと思ったことも有りましたが、結果、日本語が理解できる数少ない家族となったわけなので、本当に助かっています。(私にとっては。)
6歳→8歳 男の子の変化
小学校に半年間行っていた。ひらがなの読み書き、簡単な漢字も習い始めていた。日本の義務教育を少し受けた。
現地校、母国語がオランダ語ではない子供達のためのクラスに入学。当初はとてもとても嬉しそうだった。しかし、半年ほど経って、しんどそうな日、休みたいと言い出したこと、休日はずっとYouTubeを見て動けないなど精神的なしんどさを感じているであろう期間が有った。
理由を多く語らなかったが、友達と話が出来なくて辛いと言われたことがある。日本のお友達に会いたいとも。小学校1年生の年、みんなと言葉でのコミュニケーションを取り始める頃。本当にきつかったと思う。
今では、乗り越えて、大好きな友達も出来、毎日元気に登校してくれている。
5歳→7歳 女の子の変化
日本では保育園の年中さんだった。発語はし始めていたが、個人差が有るので、言葉を話さずとも気づくと仲良くなっていることが多かった。
もじもじして、来た当初は公園などでも私の後ろに隠れていたり、兄としか遊ばなかったりしたこともある。
現地校、普通クラスからスタートしたが、逆に周りも言葉の発達がばらつきが有ったので、笑顔やジェスチャーで馴染んでいったように思う。しかし、発語は更に遅くなり、日本語ももどかしそうで、伝わらずイライラしている場面はよく見かけた。
今は、マシンガンのようにオランダ語でまくしたてる女子。
2歳→4歳 男の子の変化
日本の保育園からオランダの保育園へ。オランダでは幼稚園にも少し。一番、馴染むのが早かったように思う。というのも言葉の発達が特に生活に関係しなかったように感じたため。
現地校、普通クラスに入学。小学校では、周りの子より話せない状態ではあったが、なにぶん4歳なので、オランダ人の子でも性格によっては話せず、泣いてばかりいたりする。そのため、特に気にならず。しかし、発語は遅め。それが彼のもともとのものなのか不明。今は私とは日本語、先生とはオランダ語と会話での言語の使い分けも出来る。舌足らずが可愛くて、先生方にも大人気。
1歳→3歳 男の子の変化
日本でもオランダでも保育園に行っている。日本では喃語を話しているくらいだったため、周りからは「オランダ人になっちゃうよ」と言われていた。しかし、発語は日本語からだった。今は私に対しては日本語を話し、先生や兄弟とはオランダ語を話す。日常会話は日本語がメイン。
以上、4人の子供の状況はそれぞれ違っていますが、いずれにせよ、母語が育っていない状態で移住したことになります。
そもそも母語が育つとはどういうことか
母語とは、一番初めに覚えた言葉で、現在もっとも理解できる言語で、頻繁に使用し、自分自身がしっくりと一体感が持てかつ周りの人もそう認める言語をさす場合と、親(または祖父母)が日常的に使っていたことばとして、本人のルーツに関わることばをさす場合もあります。
引用:多文化な子供の学び~母語を育む活動から~
母語の習得がままららないうちに、母語以外の習得を開始すると、どちらの言語も中途半端になってしまい、豊かな表現ができなくなるという問題もある。
これは、母語の言語能力が確立されている子供は、母語の助けを借りて第二言語の発達を促進させることができるのに対し、母語の習得が不十分な子供には、それができないためである。
引用:東京外国語大学
母語の解釈もそれぞれですが、ルーツが日本である以上、我が子達は日本語が母語であるとも言えますよね。しかし、現在、最も理解出来る言語はオランダ語になりつつある状態です。つまり、母語がオランダ語になりつつあるのでしょうか。
そもそも母語問題とはなんぞや
通常、赤ちゃんはお腹の中で言葉を耳にしていて、1歳くらいで単語を話し始め、2歳で語彙が爆発的に増え、5歳までには母語の基礎ができあがる。7歳くらいまでに言葉と文字を結び付けられるようになり、10歳になると母語を使用して抽象的な思考が出来るようになり、そこから更に難しい語彙を学び、認知能力を育てていく。
日常的な会話の能力は2年ほどで習得が出来るが、母語と同じように認知能力を育てるためには6年から10年ほどかかるので、小学校の段階で教育言語が変わることで、どの言語でも年齢相応に達していない状況に陥る。
参考にさせていただいた文献の中で、立命館大学大学院 言語教育情報研究科 教授 田浦 秀幸先生は、
日本人だから日本語は自然にできるようになるだろうとか、現地に行けば現地の言葉を自然に覚えるだろうと安易に考えるのは危険です。大切なのは、自分の子どもに年齢相応の国語力があるかどうかをしっかり見極めること。そして、母語だけでもしっかりCALPを習得させてあげるのが親の一番の責務だと思います。英語学習はそのあとで十分です。
こうおっしゃっています。ご興味ある方は、またじっくり読んでみてください。
この記事を読んで頂きたい方
- オランダに教育移住をしようと思っている
- オランダ移住について情報を集めている
- 教育移住は何歳でするのが良いか知りたい
- 母語が育たないことを理由に移住をやめようとしている
- 子供が小さい時に移住するとどうなるか知りたい
- 海外移住後、補習校に行かせる必要はあるのかと思っている
- 将来オランダ移住を検討している
- 海外移住の際の母語問題とは何だろうと調べている
- 人生に正解はないが、とかく子供のことはそうも言っていられない
まとめ・母語の観点から行くと教育移住は小学校 高学年になってからが良いのかな??
我が家の子供達は、4人ともなんとかオランダの生活に馴染んでくれました。もっとオランダに居たいと言ってくれているので、私も出来るだけ長くオランダで暮らせるよう努力するのみです。
ただ、問題は山積みで、その中のひとつ言語の問題、母語問題についてあらためて取り上げてみました。もちろん、日常会話が出来るということだけで言えば、日本語の補習を行うことで解決していくことでしょう。
教育移住をお考えの方に、渡蘭前に知っておけたら良いよねという内容だと思ったのでまとめました。
じゃあ、子供が小学校高学年になるまで待とう!! となっても、物事はそう単純ではなく、物心ついているお子様が、一度は同意したものの生活に馴染めない、周りとのコミュニケーションがうまくいかない、言葉が出来ないことがものすごいストレスになり、ご帰国されたご家族の話も良く聞きます。(私は、帰国はけしてマイナスじゃないと思っています。)
結論、正解はないのですが(ないんかい❕❕)、今、自分の子供は言葉のどの段階なのかなと目安になればと思いました。簡潔に、性格がこうだとか年齢だとか一言で答えが出れば良いのですが、正直やってみなくては分からないというのも事実だと思います。
我が家は、私の浅はかで今、家庭内に言葉の壁が出来上がっております。
教育移住は子供が中心なので、よく考えて決めて出した答えが正解なのだと、私は自分に言い聞かせております。
今は、焦らず、子供と相談しながら軌道修正して暮らしていきたいと思っています。
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